歯科技工士 小澤紘史・山本浩之 対談

目次

  1. 最近の社内の様子
  2. 近藤義歯研究所の安定クオリティ「究極の分業制度」
  3. 「○○○○」で保険義歯の「エラー率」が圧倒的に低くなる
  4. 技工士の「立ち合い派遣」とは?
  5. プライベート、教えてください!
  6. 将来のビジョンは?

最近の社内の様子

お忙しいですか?(インタビュー実施は2024/3)

【小澤】
新しい年度からお口元をキレイにしたい方が多いのか、3月は例年おかげさまで忙しいですね。

この間の日曜に「フルバランスセミナー」があったそうですが。

【山本】
ドクター向けに「フルバランスセミナー」と「ゴシックアーチセミナー」をメインでやっています。
社員は何回も出ていますが、代表が毎回新しいことを話すので新鮮です。
代表が先生にお話をするので、経営的なことを交えて「こういう風に集患するといい」など経営者ならではの話もします。

技術面だけでなく、経営的な話も聞けて、2度おいしいセミナーですね!社員の皆さんはスーツで普段とは違う雰囲気でした!

はい、たまにスーツを着ると気持ちが引き締まります。

近藤義歯研究所の安定クオリティ、究極の分業制度

同じラボでも義歯を作る技工士によってクオリティが変わると先生から聞きますが、どうですか?

そういう声はお聞きします。

どうやって近藤義歯はでクオリティを安定させているのですか?

近藤義歯では、「分業制度」を取っています。
工程が大きく3つに分かれていています。
メタル班、排列班、仕上げ班の3つがあり、各班にチェックする責任者がいます。
前工程から次工程に技工物が受け渡すタイミングで、次工程の責任者がチェックします。
もしエラーがあった場合、責任の所在は次工程で受け取った人になります。
ですので、工程が移るタイミングで受け取る側の人間がしっかりとチェックをします。

責任の所在が明らかですよね。

それによって、工程数がいくつもあるのであるので、ダブルチェックトリプルチェック・・・と、何回もチェックが重なるので、クオリティが安定してきます。

なるほど。チェックシートなどあるのですか?

誰がどの工程を確認したかが分かるようになっています。

それは再製率の低さに貢献している?

はい!貢献しています!

「○○○○」で保険義歯の「エラー率」が圧倒的に低くなる

近藤義歯は、実は「仕事の8割が保険義歯」というのが意外だったのですが。

弊社に対する先生のイメージは「あ、保険もやっているの?」という話はよく聞きます。
うちは他のラボと違って、保険の義歯でも「複模型法(ふくもけいほう)」をやっています。
近藤義歯研究所の保険義歯はこちら

複模型法は、いつからやっているのでしょうか?

私が入ったのはちょうど10年前ですけれど、その時からやっていました。

普通、「複模型」は自費でしかやらないですよね?

そうですね。

コスト的に大丈夫なのでしょうか?

複模型を取る材料として、保険は「寒天」を使っているので再利用できます。
複模型を作った後に寒天を外して砕いて溶かして再利用可能で、1か月くらいは使えます。
急に冷やすとぎゅっと縮まるので、徐々に冷やしていくなどの温度管理には気を付けています。

工夫して努力して、やりくりされているんですね!

複模型法を取ることでのメリットは、患者さんや先生のお手元に届くときの「エラー率」が「圧倒的」に低くなることです。
義歯が「ワックス」から「レジン」に置き換わる時に起こる変異を、模型の側から調整できます。
それを技工所でやってしまうからエラーが少ないのです。

圧倒的に、ですか?

僕は近藤義歯に新卒入社なので複模型のない義歯は作ったことないので、何とも言えないですが。
色々なことを加味しても、安定した仕事をし続けられるためにはいいことと意識しています。

エラーを少なくするために、変形のリスクなども先生にお伝えしています。
「石膏の注ぎ方」や、「印象を採ってから石膏を注ぐまで乾燥させないとエラーが少ない」などのノウハウが詰まったパンフレットをお配りしています。

「印象は、こうやって採るとバッチグー!」というパンフレットがあるのですね!

はい、情報提供という形でお伝えしています。

エラー率が下がる、セットの時間も短縮できる、お互いが余計な手間を掛けず入れ歯が出来て皆ハッピー、つまり「三方良し」ということですね。
「質は自費、コストは保険」がキャッチフレーズの「ハイブリッドデンチャー」というのは、近藤義歯オリジナルですか?

ワンピースでやるのは普通は自費なので、保険でワンピースまでやるという意味では近藤義歯オリジナルですね。
詳しくはこちら

技工士の「立ち合い派遣」とは?
※「超」精密義歯KGKデンチャーのみ

技工士さんは、話すのが苦手というイメージですが。

確かに技工士学校に「あまり人と関わらなくていい仕事だから、歯科技工士を選んだ」という同級生もいました。
イメージとしては職人、というイメージですよね。

この会社は自然と「ああ、こういう風にやっていくんだな」と先生や患者さんとコミュニケーションを取るイメージに気づける風土があります。
そうすることで「三方良し」につながっていくんだな、と感じています。

「集中して仕事する職人のような感じ」と、「立ち合いに行って患者さんとお話しする感じ」は、真逆だなと思いますが。

いろんなことが出来るから楽しいです!

立ち合い派遣の際、技工士さんと患者さんは話すことはあるのですか?

先生という柱を1本立てて、そのサポートをするのが私たち技工士です。
患者さんも緊張なさっていたり、その都度現場の状況は違います。
話して大丈夫そうな雰囲気の場合「今日○○しますからね、一緒に頑張っていきましょう」など、最初にお声がけすることもあります。

印象採る時

シリコン印象を盛るところが、まるでパティシエのようなコテ使い!でカッコよく、見とれちゃいました。

やまちゃん、最初苦労したよね。
始めた当初、横で見ていてもイメージしてやろうとしているけれど、イメージ通りにならなくてもどかしい感じがすごく伝わってきて。
「ああ、苦労しているな」と思って見ていました。(笑)

小澤について、動きを見て「あ、ここはこうするんだ」と相当イメージトレーニングしたのですが、最初は全然自分のイメージが投影できなくて(汗)。
シリコン印象は3層の重ね掛けをするので、いろいろな種類があり、まるで全然違う性質なものを使い分けていくのですが、スパチュラで触った時の感覚が・・・。

あのコテみたいのは「スパチュラ」というのですね!私にはパティシエにしか見えませんが、あそこまでいくのは大変なのですね。そして、先生との連係プレイ・・・固まる時間とか、シリコン印象の盛り方とか、近藤義歯研究所「KGKデンチャー」ならではのノウハウが山盛りですね。

はい。
立ち合いは、印象だけでなく「仮合わせ」と「セット」で基本3回ですが、印象ですべての方向性が決まってしまうので、とても大事なプロセスです。

「KGKデンチャー」だと、3層の印象を採るタイミングは何回?

「リハビリ義歯を作る時」と「ファイナル義歯を作る時」の2回です。
2時間の印象を採り終わるころには患者さんもヘトヘトになるので、院内のデンチャーコンシェルジュさんが事前に「イーウーの練習をしてきてね」と患者さんにお願いしている医院さんもあります。
→これを書いたデンチャーコンシェルジュのインタビューはこちら

僕も立ち合い時、患者さんと一緒に「イーウー」とやって見本をお見せます。
大変だと思うのですが、ここが肝なので頑張ってくださいとお伝えしています。

技工士自ら見本を見せるだけでなく、デンチャーコンシェルジュさんも巻き込んでの「動的印象」なのですね。

弊社の代表は、衛生士さんだけでなく、先生も巻き込む力があります。
先日のセミナーでも、参加された先生方が代表の動きをスマホで撮影されていました。
代表が約30年間試行錯誤して獲得したKGKデンチャーのノウハウを教わり教えあう恵まれた環境の中で、これから先30年ブラッシュアップしたらどうなるか楽しみです。

自分が身に着けた技術は、山本含め後輩たちに余すところなく教えたいと思いますし、自分は近藤代表に少しでも近づければと思っています。

試適時

患者さんとコミュニケーションを取る際、気を付けていることはありますか?

患者さんの違和感がなく、見た目も含めて気に入っていただくのが一番です。
入れ歯で苦労されてきた方がKGKデンチャーを選んでくださることが多いので、最初のリハビリの時は「本当に大丈夫かしら」と思っている方もいらっしゃいます。
それを励まして、前向きな気持ちになっていただけるような声がけをするように気を付けています。

セット時

入れ歯が出来上がって患者様にセットする時は、心躍りますか?ドキドキしますか?

しっかり型どり、咬み合わせ、試適を終えて、且つ工程管理が細かくしっかりされている中で確認をします。
完成まで導くために、それらのチェックリストは必ずつぶしているので、不安のドキドキはないです。

自分も不安はないですね。
試適は大丈夫だったけど、完成でゆるくなっちゃったなどそういったことはないです。

どの工程が好きですか?得意ですか?

排列です。

全部好きなんですよねえ。

実際は、誰が作っているのでしょうか?

メインにやっているのは、私たち2人です。
社内で出来る人間も育ってきています。
工程によって3班(ワイヤー/排列/仕上げ)の各メンバーに一部の仕事を割り振る「分業」という形を取り、細かくチェックすることで品質にばらつきがない仕組みを作っています。

プライベート、教えてください!

どんな子供時代でした?

身体を動かすのが大好きで、小学校4年生から少年野球(ピッチャー)、バスケなどしていました。

僕も動き回るのが大好きで、バスケを小学校4年から始めて社会人までずっとやっていました。(身長179センチ)

休みの日にしていること、マイブームは?

妻と一週間おきに料理の当番を担当しています。
その料理をするのに、いろいろなレシピ見てあれ作りたいこれ作りたい、とやってます。

料理、楽しいですか?

はい、楽しいです。
先日、タコ焼き機を買ってたこ焼きやりました。
子供(9歳と3歳)は、僕が作る「チキン南蛮」をすごく気に入ってくれています。
玉ねぎとピクルスを刻んで、タルタルソース作ります!

筋トレもしていますが、嫁と出かけることが多くなりました。
最近は僕の実家(小田原)の方の「ヨロイヅカファーム」に行きました。
グルメやスイーツも二人で出かけて楽しむ感じです。

将来のビジョンは?

将来のビジョンは?

「最強の入れ歯集団」を作りたいですね。

「歯科技工士」としてだけではなく、「歯科医療人」として最大貢献できるようにしたいです。

インタビュー:2024/3/19

お取引医院様掲載事例

2人の技工士は、すでにお取引医院様のホームページでインタビュー掲載をしていただいてます。
併せてご覧いただければ幸いです。

さとう歯科医院様(東京都江戸川区小岩)